『世界に比べて日本は死亡者数が少ない』
というデータについて、
京都大学大学院医学研究科の上久保靖彦特定教授と、吉備国際大学(岡山県)の高橋淳教授らの研究グループが
「日本人には新型コロナウイルスの免疫があったので死者数を抑え込むことができた」という内容のプレプリントをCambridge Open Engageに発表したと報道がありました。
世界で感染が蔓延する前に日本ではすでに昨年蔓延しており、免疫をもっている人が多いためだとする研究が相次いで出されています。
京都大学の山中教授は日本の感染の広がりが遅いことや、日本の死亡者数が少ない理由などについて、何か原因があるのではと語り、それを「ファクターX」と名付けています。
京都大、岡山大の研究グループによると、日本人の新型コロナウィルス感染症の集団免疫に関して以下のように報告しています。
報道より
↓
「新型コロナウイルスには3つの型、S型、K型、G型があり、
最初にS型が発生し、それが変異したものがK型。武漢でさらに変異した感染力の強い型がG型。」
「先駆け(sakigake,S)であるS型は、無症候性も多い弱毒ウイルスなので、インフルエンザに対するウイルス干渉も弱かった。S型から変異したK型は、無症候性～軽症で、中国における感染症サーベイランスでは感知されず蔓延したが、日本のインフルエンザ流行曲線が大きく欠ける(kakeru,K)ほど、K型ウイルスの流入が認められた。」
「武漢において変異した武漢G型(typeG,global)は、さらに重症の肺炎を起こすため、中国の感染症サーベイランスが感知し、1月23日に武漢は閉鎖された(武漢市長によるとむしろ閉鎖により約500万人が市街に流出したともいう)。一方、上海で変異したG型は、最初にイタリアに広がり、その後ヨーロッパ全体と米国で流行した(欧米G型)。」
「日本政府が行っていた入国制限は、3月9日までは武漢からに限られていた。その結果、S型とK型が武漢以外の中国全土から日本に流入・蔓延し、多くの日本人が感染した。日本人は、武漢で猛威をふるったG型が日本に到来する前に、すでに新型コロナウイルスの免疫ができていたということなのだ。旧正月「春節」を含む昨年11月～今年2月末の間に、184万人以上の中国人が来日したともいわれている。」
「さらに、S型に対する免疫はG型の感染を予防する能力が乏しく、さらに、S型への抗体には抗体依存性免疫増強(ADE)効果があることが推測されているという。
抗体依存性免疫増強(ADE)効果とは、抗体の助けを得てウイルスが爆発的に細胞に感染していく現象のことである。ADEが起きている間、ウイルスは細胞内に入っていき、血中からは減るので、一見病状が改善したような状態がしばらくは続く。しかし、ある時点でウイルスが細胞を破裂させるかのように大量に出てきて、患者の急変が起こる。
ADEが欧米の新型コロナウイルス患者の死亡率を高めたことがわかったため、ADEを手がかりに、今後どんな患者に重症化のリスクがあるかが推定できる。妊婦、妊婦から抗体を受け取る新生児、免疫系の発達が未熟な幼児、そして免疫系が衰えた高齢者だ。」と発表しています。
プレジデントオンライン(2020.5.27,11:16)
また、
「2019 8月にはCOVID19 が日本国内へ侵入し、蔓延していた可能性が高い」と研究を報告した福島敦也医師のグループは
「集団免疫説は私も最初信じていましたが、おそらく間違っています。日本では多くの方は血液中や肺胞でのマクロファージによる抗原提示を受ける前、IgG抗体が出来る前におそらく自然免疫でウィルス退治を出来ています。
NYのデータなどと比較し、PCR陽性率と5月初めの厚労省や都内での大規模な抗体検査での陽性率の乖離があまりにも大きいです。今MSFでやっている前向き調査、既に300例以上調べていますが同様な結果が出ています。実証を行う中で間違いに気付きました。多くの方はかかったのに抗体が出来てないことを示唆します。」とあり、免疫力が低くなって、二回目に感染すると重症化することを警告しています。
現在、日本は緊急事態宣言が解除され、感染者が減少いていると報じられているためゆるみが出ていますが、
第二波には重症化する人が増加する可能性も高いため、今後も引き続き、感染防護対策は十分行っていく必要があります。
