【提案①】
ICT(既存システム)を活かした、医療行政の推進について
課題:救急現場への迅速な情報共有の必要性
提案:『新設制度(仮称)愛媛地域医療プラットフォームの創設』
現在、愛媛県内の保健所、医療機関、行政等との情報共有は厚生労働省からの情報管理システム「HER-SYS」を導入していますが、救急現場ではそれが適応しておらず、感染疑いのある現場に一番先に行く救急現場においても迅速な情報共有は必要です。特に松山市以外の救急現場では感染者の情報の連絡が入るのが遅く対応が遅れてしまうという声が多くあがってきているため、喫緊の課題と考えます。
今ある救急搬送情報システムは、消防機関がタブレット端末で搬送者情報を送信し、救急医療機関等がパソコン等の利用端末から情報を閲覧することができます。
このシステムに行政機関(保健所等)が新型コロナウイルス感染症に関する情報を、速報として伝達することで消防吏員(救命士)及び救急医療機関等が現場の現状を確認することが可能となります。
運用については、愛媛県下の医療機関、市町を所管する消防局・消防本部及び消防等事務組合、保健所の連携により取り扱うことを提案いたします。
※愛媛県警察にて運用されるカーロケーションシステムのICTを活用した情報伝達手法が参考となる。
1 運用方法
●本システムの機能性を精査したところ、救急搬送時以外に、発災時や非常事態発生時にも効果的に活用することができる。愛媛県警察が導入している警察情報通信システム及び情報管理システム運用マニュアルを準用することで、リアルタイムな情報共有を図ることができる。
2 効 果
●感染症対策効果
関係医療機関及び市町を所管する消防局・消防本部及び消防等事務組合に対し、保健所がオンタイムで情報共有することで、感染者が発生している県内状況(医療機関・福祉施設等)を各関係機関が認知できる。
関係医療機関及び市町を所管する消防局・消防本部及び消防等事務組合が認知しない発症者・保菌者を転院させる他、感染受傷事故防止の可能性を高めることとなるうえ、感染予防の概念から、アクシデント及びインシデントの防止を図ることができる。
●発災時対応への効果
救急搬送情報システムには、機関ID及びパスワードの入力でログインが可能。本システムにログインする機器端末を活用し、オンラインによる遠隔診療を行うことは容易となる。高度救命救急センターに隣接する遠隔通信指令センター(仮称)を設置することで、県下限界集落における、国民健康保険診療所等地域医療の後方支援も可能となり、発災時の診療支援を可能にすることで救命率向上を図ることに繋がる。
3 整備事業内訳
医療機関(二次救急医療機関・三次救急医療機関・個人病院・国民健康保険診療所等)及び福祉施設(有料老人ホーム・特別養護老人ホーム・サービス付高齢者住宅等)へは、転院や入居の可能性が高い動線となることが考えられる。そのため、医療機関及び福祉施設等へのヒアリングを実施し、愛媛県広域災害・救急医療情報システム(えひめ医療情報ネット)へのログインを行い確認等の可否を確認する他、医療行政への要望事項の入力をオンラインで行うこと等について可否の確認等、医療現場レベルでの調整が必要である。